本年度最後の企画展 ”靉嘔・虹“ がスタート致します。
年に数回、施設全体で開催しているアート月間。
今回も東京・Gallery 360°とTODAYeditionの協力の元、企画展「靉嘔・虹」を開催する運びとなりました。ウィズコロナ、そしてアフターコロナを迎え、新しい生活様式における視点の一つとして、明るい未来・希望と美しい虹色を重ね合わせて問いかけたいと考えます。また、主軸となるシルクスクリーン作品だけでなく、ドリップ作品、過去の展覧会における図録やTシャツ、TODAYedition製となる特別なコラボレーション商品を取り揃えたスーベニアショップを併設致します。
新たな価値観との出会いを願って。
虹のアーティストとして知られる靉嘔は、今年5月に91歳の誕生日を迎え、その活動歴は70余年に及びます。活動は、大学在学中の1951年大阪で画家の瑛九を中心に結成されたデモクラート運動に参加したことから始まります。既存の画壇や美術団体を拒否し、自由と独立の精神を持って制作するという理念のグループにて活躍(他には河原温らが参加)、58年にはニューヨークに拠点を移すべく渡米します。
これまでには無い新しいものを生み出したいという靉嘔の前衛精神は、60年代初期に沸き起こったフルクサス運動に共感し、初期から積極的に参加。リーダーのジョージ・マチューナスの呼びかけのもと、同じ考えを持ったアーティストが世界各国から集い、構成されたこのグループは、既成の概念や形式にとらわれず、先駆的・実験的な表現を試みた前衛アーティスト集団でした。
単身アメリカという異国の美術界に飛び込み、そこで格闘する靉嘔。残されているのは自身の身体のみであり、備わっている人間の五感から作品を生み出そうという考えに至り、触覚のフィンガー・ボックス、味覚のディナー・イヴェント、フルクサスのイヴェントで演奏された音や嗅覚の作品、そして視覚を追求した中で発案したのが、レインボーの絵画です。「言いたいことがあるから作品を作るんだ」という靉嘔はその初期から現在に至るまで、常に自身にしか出来ないオリジナリティを追求し続けました。70年以上に及ぶ前衛の精神を貫いた靉嘔の作品の一端を、この展覧会で体感していただければ嬉しく思います。
「ゲスト」
GALLERY 360°
GALLERY 360°は現代美術を通してコミュニケーションの場を作ることを目的に1982年10月にオープン。GALLERY 360°には2つの機能があり、現代美術のアーティストたちの活動を紹介するギャラリーと、作品集やマルチプル、ポスターなどを販売するショップを併設しています。
ART IN TO LIFE
HP:http://360.co.jp
IG:gallery360jp