企画展「感情と造形・ENKELのモダンクラフト展」
Event
Emotions and Objects / Modern Craft Exhibition
EVENT SPACE NORTH

企画展「感情と造形・ENKELのモダンクラフト展」

2022.9.17 ― 10.10
開催日程
2022年9月17日(土曜日)〜 2022年10月10日(月曜日・祝日) の24日間 
開催場所
イベントスペース・North (UNEVEN HUB STORE内)

イベントスペース・Northにて企画展 ”感情と造形・ENKELのモダンクラフト展” がスタート致します。

ファッションを中心としたショールーム・STUDIO FABWORKを主宰し、 2020年よりファッションと合わせて家具やうつわなど「普通でちょうど良い」身のまわりのモノを集めたギャラリーショールームを展開する”ENKEL”をゲストに、日々の暮らしを少し高揚させるモノを編集した企画展を開催致します。

静謐な雰囲気を纏う無垢材の家具。

鉄媒染による力強い黒色。

白磁のマットな白の世界。

個々の作品には作り手の感情が反映され、手仕事の技法や独特な素材使いを経て造形に現れます。そのモダンクラフトにおける世界観の対比・コントラストを様々な視点でお楽しみ下さい。

どこか都会的な佇まいを感じる様々なオブジェクト群。

参加作家

吉田 薫 / 線画 IG:kaoryosh 
時おり野生の鹿なども現れる自然豊かな富士の裾野のアトリエで、紙や布・うつわなど様々な媒体の上で踊るような柔らかな線が産み出されている。時にシンプルに、時に複雑に描かれた、生きものを想起させる線の連なり。その線画作品は、自由な空想を受け入れる余地が多いからこそ、見るたびに新鮮な印象を与え、私たちの記憶と官能的に絡み合う。

安斎 賢太 / 陶 
漆―福島を拠点に、日本の風土に深く根付いた「陶」と「漆」を用いたうつわを制作している。その独特の質感や重みは、焼成した陶器に土と漆を混ぜたものを塗っては磨くという手間のかかる作業から生み出されている。そのうつわは、沈むようなニュアンスのある深い存在感を放ちながら、私たちの現代の暮らしの中にもすっと馴染むような柔らかさも兼ね備えたハイブリットな魅力をもっている。

野口 寛斎 / 陶 IG:kansainoguchi 
プロのミュージシャンからの転身という異色の経歴でも注目される陶芸家。陰影が際立つ美しい造形は、土器から始まるやきものの悠久の歴史や自分のルーツである音楽など、有形無形の様々なインスピレーションから生み出される。「空間を演出したい」という作者の想いが溢れた花器やオブジェなどは、私たちの生活にアーティステックな空気を運んできてくれる。

廣島 晴弥 / カットガラス IG:h_collection_hiroshima 
新旧の工芸が今も息づく金沢を拠点に、丁寧な美しいカットで注目されるカットガラス作家。自身の創作の出発点を大人の社交場であるBarに定めて、主にお酒用のグラスに様々なデザインのカットを施している。その作品は、シンプルで余白を活かしたカットだからこそ、私たちのハレの日にもいつもの日にも寄り添う。美しいガラスのうつわを使うと日常が少し煌めいて、一杯の水も少し美味しくなる。

上治 良充 / 革 IG:ysmchjoji 
よく使いこまれた金属や木工品かと見間違うような、独特のエイジングしたような風合いの革作品で注目される。その作品は牛革の基礎部分である「床革」を薄くスライスし、柿渋や墨で染めたものを樹脂で何層にも重ねられて出来ている。洗練された端整なフォルムでありながら、既に何年もの時が擦り込まれたような味わいのある作品だから、使い古した私たちの生活の道具ともすぐに馴染んでしまう。

牧 由加里 / 木工・漆 IG:yukari_maki 
手作業でしか生まれないような微妙なうねりをもったうつわや、木目を活かしたオブジェなどで注目される。「自分の考えたモノを自分の手で作りたい」と願い作られた作品は、奇をてらったものではないが、造形や漆の様々な質感に独自の感性が光るモノばかり。オブジェとして私たちの暮らしに取り込むと、その質感や陰影の変化で時の移ろいを感じさせてくれる。

遠藤 章子 / ガラス IG:shokoendo.glassworks 
茨城県を拠点に活動するガラス作家。電気炉を用いて石膏型にガラスを鋳造する技法で作品を制作している。当初は円柱や方形など幾何学的なかたちの静謐なオブジェを制作していたが、近年は「ふれる」ことに意識を注いだような繊細な質感の作品で注目される。わずかな光を閉じ込めたその作品を両手で包むとき、そっと心が静まる。用途を超えた、ただそこに親密な距離感であるもの。

鳥居 明生 / 陶 IG:akiotorii 
岩手県宮古市に生まれ、現在は埼玉県を拠点に質感の魅力溢れる作品で注目される陶作家。そのシンプルな造形作品は用途の定められたものではないからこそ、手に触れ様々な角度から眺めれば、そのテクスチャーは岩や金属、樹皮や黒黴のはえたチーズなど様々なものを想起させる。幼少のころ宮古の海で石を拾っては「神様」といって集めていたという作家が土を焼いて生み出した、使い方もその見え方も想像力に委ねられた自由の塊。

瀬戸 友歌 / 植物造形 IG:yukaseto_ 
京都にアトリエを構え、「植物の造形」に焦点を当てた様々な作品を創造している。その作品は、瀬戸の自由な感性で、銘木の台座から伸びる美しい真鍮の茎に、世界中から集められた植物造形が繋がり、新たな命のリズムを刻む。瀬戸が「生きるために真っ直ぐなかたち」と呼ぶ、植物が進化の中で身にまとった美しく、時には不自然にも思えるかたちがリズミカルに結ばれたその作品は、世界は美しさに満ちていることに気づかせてくれる。

tumi-isi / 積み石 IG:a4.jp 
奈良県東吉野村を拠点に活動するプロダクトデザインレーベルA4(エーヨン)により2008年にデザインされた石をモチーフにした多面体の木製オブジェ。吉野杉や桧をはじめ様々な銘木を職人が一つひとつ異なるサイズにカットすることで、その形状はひとつとして同じものはない。そのためシンプルながら多様な表現が可能で、何度も積み重ねては崩す、その行為の連続が使い手の創造性を刺激してやまない禅問答のような玩具。

佐々木家具造形研究所 / 家具・造形物 IG:research_institute_sasaki 
大学で建築を学んだあと「特定の土地に縛られず、設計から製作までを自分の手で完結できる造形物」としての家具の魅力にひかれ、現在は「佐々木家具造形研究所」と銘打ったアトリエを構える。佐々木は建築や美術のインスピレーションを基盤にして、依頼主の要望を丁寧なヒアリングのもと抽象化し、厳選された素材と高い技術を用いて端整な造形の中に落とし込んでいく。今回、ENKEL水澗航の依頼により日常の暮らしにも、商業的な利用にも用いることが出来るトレイと、よりコアな造形表現としての「一連の彫刻群」がその作品に新たに加わることになった。

KITA WORKS IG:kitaworks 
岡山県津山市に所在するKITA WORKSの母体は、1978年創業の溶接工場。今も地元密着の仕事をこなしながら、鉄や真鍮の高い溶接技術とガラスや木材などの異素材を自在に組み合わせた「等身大の心地良い暮らし」のための家具も製作している。高温で成形された鉄は、冷めていく過程で「黒皮(クロカワ)」と呼ばれる酸化被膜をつくる。その自然な黒皮の表情を残した繊細な鉄フレームと、無垢材でシンプルに構成。佇まいも美しい。

AJI PROJECT IG:ajiproject 
暮らしに寄り添う庵治石。-人が最初に使った道具は石でした。石はずっと昔から私たちのすぐ近く、自然の中にあります。自然に生まれた丸みの柔らかさや、ゴツゴツとした岩肌の固さ、ひんやりとした心地よい温度を人は特別意識することもなく手で触れて感じています。人の近くに静かに佇む石のかたちを考えます。庵治石(アジイシ)の産地、牟礼町(ムレチョウ)・庵治町(アジチョウ)は、香川県高松市の東部に位置します。文化の芸術の発信のまちでもあり、歴史と文化、海の香りの漂う情緒豊かな地域です。

植田 佳奈 / 陶 IG:uedakana_ 
神奈川県を拠点に土で表現できる質感の可能性を追求する陶作家。偶然性に大きく左右される釉薬表現や土味に頼らず、自然科学者の様な探究心で土と向き合い独自の形態と質感を追求する一方で、そこから生み出されたモノはどこかの浜辺に打ち上げられた名もなき漂流物の様なノスタルジックな詩情を持つ。波で洗われた岩石や白化した海洋生物、あるいは星屑。明確な用途を持たないからこそ様々なインスピレーションを与えてくれる子供の遊び心を忘れない大人のための小さなオブジェクト。

内田 智裕 / 磁器 IG:uchidatomohi 
1986年熊野県に生まれた内田は、大学卒業後に陶芸の専門学校を経て、白磁の世界を現代アートの領域にまで高めた黒田泰蔵氏に師事。柔らかな器のアウトラインを、陶芸を学び始めた当初から強く意識してきたという内田にとって、磁土という緻密で滑らかな土は最適の素材といえる。端正でありながらも、轆轤の揺らぎを残した瑞々しい造形は暮らしの中に凛とした空気感をもたらしてくれる。確かな技量と清涼感あふれる作品で、今後が期待される陶作家のひとり。

落合 可南子 / ろう作家 IG:ochiai_kanako 
2021年より「暮らしに寄り添う自然美」をコンセプトに、植物療法の考えを元に制作された蝋と植物を用いた植物キャンドルやオブジェなどを製作する。その作品は、幼少期を過ごした北海道の豊かな自然や日本各地の旅先の風景などをインスピレーション源として、視覚と嗅覚、触覚を微かに刺激する。そして何より独学で作り上げたその作品は、蝋という素材の様々な可能性を追求する実験的な面白さに溢れている。

郡司 圭 / 止め石 
境界性や結界性に注目した作品を制作する。ハツカネズミのための止石は、日本の様々な場所で採取された小石で制作された小さな止石のシリーズ。止石は石や紐の結界を創る機能を借りて、茶道などの世界で客人に通行禁止を暗黙に了解させ、日常と非日常との境界を作る道具として用いられてきた。このハツカネズミのための止石は、全てのひとの精神の中にある小さな自由の土地を想定して作られた、極めて小さな結界の装置である。

AOYA / 和紙照明 
AOYAは鳥取県の伝統工芸である因州和紙の工房、谷口・青谷和紙が送り出すオーガニックな形態と光が魅力的な照明ブランド。和紙は平面上の物という常識を覆す、和紙を3次元で漉くという独自技術である「立体漉き」で作られているのが特徴。提灯のように骨組みに紙片を張り合わせるのでもなく、張り子のよう貼り重ねるものでもないため、継ぎ目のない繭や雲のような形態が美しく、機能的にも影のない均一な光が部屋を優しく照らす。長い伝統をもつ日本の和紙のモダンな表現で注目される。

Sonoko Homma / stylist・personal costume art director 
女子美術短期大学卒業後 雑誌や広告等のスタイリングを手がける。衣装デザインや製作、絵画など幅い分野で活躍中。自由な発想でイメージを膨らませ、気持ちを表現するようなものをつくるよう心がけている。「Dans la forêt」 昨年知り合いの占い師の方から タロットカードを描いてみない?とオファーされたのをきっかけに22枚のタロットカードを描いてみました。自分を占ってみながら一枚一枚カードの絵を描いてみるとタロットはその時の自分の中の哲学であると思いました。それは夜夢の中で緑深い森の中を潜るような、それぞれが短篇の物語りのような、絵本の中にいるような…

「ゲスト」
水澗 航 / ENKEL、STUDIO FABWORK 主宰

ブランドプレスを経験後、独立。2012年に「Porta」を設立、その後2014年にはPR会社「STUDIO FABWORK」、2019年にはショールーム「ENKEL」を設立。その実績とブランド広報の幅を広げながら活躍中。約30のブランドをクライアントに持ち、ブランディングや編集企画などを行う。

IG:enkel_tokyo

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