キムホノ 100蓮華
Event
Kim Hono 100 RENGE
Dhal Homes

キムホノ 100蓮華

2024.12.27 ― 12.30
開催日程
2024年12月27日(金) - 12月30日(月)
開催場所
Dhal Homes

KimHono 100 蓮華

愛知県瀬戸市を拠点に制作活動を行なう、陶芸家・キムホノさん。 Dhal Homesでは2021年のオープン当初から常設でお取り扱いをさせていただいており、Dhalデザイナー・水谷がDhalHomesを立ち上げる際に真っ先にお声掛けさせていただいたアーティストです。

2024年最後の企画展である「キムホノ100蓮華」に合わせて、今回の展示にまつわるお話をうかがいました。

---キムさん、正直に、最初お話ししたときどう思われましたか?私はキムさんのレンゲを見てみたいという強い想いで問いかけたのですが。

「おもしろいと思ったよ。作ったことがないから。ずっと気にはなっていたんだけど。いつか作ってみたいと思っていたんだけど、きっかけがなくて。新しくやるためには何かきっかけや後押しみたいなものがないと。だから、ちょうどいいというか。あれは、今年の初めぐらいだった?」

---そうです、今年の初めでした。2月ぐらいにお話しして。

「そうだよね。それで、何月か…形にして。で、今に至ってるんだよね。」

---はい。私が2度目にお伺いした時に、キムさんに「どんなものがいいか想像してきて」と。それからすごく考えて、春ぐらいにお邪魔して。そしてそれを持って行ったときには、キムさんがもう形を作ってくださっていて白のベースのものを見せていただき、とても驚いたのを鮮明に覚えています。

「レンゲも結構ね、形が不安定だから。焼いている間に移動して、ひっついちゃったり。それを意識して、離してやってもそうなっちゃったり。隣とくっつくからね、そうなると2つダメになっちゃう。今回でも、最後のやつを焼いて、帰ってきて窯出ししたの。だから、動いてくっつくことが分かってるから、離して入れたんだけどね。それでも6つぐらいダメになった。だから焼き直したんだけど、余分に作ってあるから、何とか100個は取れたけどね。そういうアクシデントもあるから、焼くまで…蓋開けるまで分からない。」

---100個ご用意いただきありがとうございます。

「本当に不思議なんだけど、今でもパッとイメージが湧いて作ったものを見て、前に作った記憶がある時があってね。初めて作ったはずなのに、何か懐かしいような、前にも作ったことがあるような記憶がどこかにあって。なんでなんだろうと考えていくと、それは昔自分が作ろうと思ってイメージはあったんだけど、作れなかったものなんだよね。技術はそんなに上がっているわけじゃない。だけどね、技術じゃなくて、たとえば…10年なら10年、20年なら20年、いろんなことを築いていくんだよね。その築いてきたことが形になったんだと僕は思うんだよね。だから、技術で作るんじゃなくて、その人自身がいろんなものを見て、いろんなものを吸収して、できなかったものができていく。それを僕も自覚したというか。だから、何でもそうだけど、年齢を重ねて色んなことを感じ取って、細胞に記憶させる。記憶していくと、それが自然に人生経験として出てくる。手から人生経験が出てくる。手からやっぱり出るんたよね、その人が。その人自身が。最近すごくそう思う。」

---キムさんは、何事もとことん考え真摯に向き合っているのを感じています。その考えが、作品に乗り移って、使う人に乗り移って。 食べることも真剣に取り組みたい。それが暮らすこと、人とのコミュニケーション。いろいろなことに伝染していっているのを感じています。

---キムさんは、レンゲで何を食べたいですか?

「まず、「私はレンゲでこれを食べたいけれど、(キムさんは)何を食べたいですか?」じゃない?」

---大変失礼しました。私は、キムさんのレンゲを見たときに、大きさも素敵だと感じました。

「大きさ?」

---なんていうか、一般的なレンゲよりも大きいなぁと思って。ひと口でパクッとするのもいいけれど、取り匙みたいな。お鍋とかの、みんなで食べるごはんを分けて、という風に使いたいなぁと思いました。

「レンゲってさ、スープを飲むものじゃない?スープ飲んだり、チャーハン食べたり。どうして大きくなったのかというと、ダルチームの口を見てたら大きくなっちゃったの。」

---みんなよく食べるので(大笑)。ひと口が大きいから、パクッといけると思います。キムさんのレンゲ、すごいです。自立するので。きっと作るのも大変だったのではないかと想像しておりました。

「自立させないといけないからね。だから、口につけるところは口の奥までいかなくても食べられるように工夫してる。」

---実際使ってみて感じました。前のところだけ口につければ、水餃子とかも食べやすくて。そう、この前西尾さんに水餃子を作っていただいて、試食会したのですが。すごく心地良かったです、相性というか。ちょうどこう…ぷるんと載って、それをつるっと食べるのにすごく良いサイズ感でした。

「あれだよね、盛って料理を提供しても良いよね。」

---蓮華の上で料理を完結させるのも素敵です。今回のみならず、また焼いていただけるようしっかりお伝えしていきます。

(「」キムホノさん ---DhalHomesスタッフ)

2024年、2月のこと。始まりは、「キムさんが作るレンゲを見てみたい」という強い想いでした。どうすればたくさんの人に楽しんでもらえるのか。迷い模索しながら、小さな一歩を積み重ねて、時には一足飛びに。

今年の締めくくりとなる本企画展では、キムホノさんによる一つひとつ異なる絵柄のレンゲが100点並びます。食べることは、生きること。たくさんの人に食べることを楽しんでいただきたいと考えております。無くなり次第終了となります。ぜひ足をお運びください。

Dhal Homes

私たちはデザインが日々の生活と人間との間を取り持つと考えます。世の中は進化し続け、一方で人間は進化に対応できることもあれば、できないこともあり、できてもしたくないこともある。Dhal Homesは、それらの問題を捉えて、衣食住の適切な関係を構築します。

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