SPOT LIGHT “ SHAGGY BLOUSON ”
先日、店の近くでたくさんのトンボを発見し、ふと秋分の日が近づいていることにも気付き、季節の色がにわかに変わり始めていることを実感している今日この頃。毎朝の洋服選びも半袖T or ロンTで悩む日が増えてきました。と言ってもまだまだ半袖の方が優勢ですが、、、さて、今日もいつも通りスタイルサンプルを。と思っていたのですが、季節の変わり目ということもあって少し趣向を変えてみるのも面白いかもと思い立ち、1アイテムにスポットを当ててお届けしようと思っております。選んだのは SUGARHILL の「 SHAGGY BLOUSON 」。それでは早速、ご紹介していきます。
シャギーメルトン素材を使用したブルゾン型の一枚。アルパカをメインとした獣毛はやや硬度があり、細かな束感も相まって野性味溢れる仕上がりです。細身な方だとやや肩が落ちるかもしれませんが、アームや身幅も細めに仕上げた無骨なボックスシルエット。身頃裏地には肉厚な細畝コーデュロイを用い、袖裏地にはキュプラを採用したレイヤードも容易な総裏地仕様。襟、袖口、裾部分、ポケットに用いたスエード地の切り替えやスナップボタンのユーズド加工など、細部にまで見どころを詰め込んだ珠玉の一着です。
古着屋で飛び抜けた雰囲気を持った一着に出会った時のような、ビビっとくる感覚に近しいものを感じます。裾のディテールは古いサイクリングジャケットに着想を得ていたり、シングルライダースの空気感も纏っているし、でも胸ポケはウエスタンライクだったり。デザインによそ行きな感じがあまりなく、たんに好きなものを拘りをもって形にしている自然さに惹きつけられるんです。
STYLE SAMPLE
ビンテージライクな後付けフーディーの上からブルゾンを重ねたスタイリング。ブルゾンのアームが細いこともあって、スウェット一枚くらいがレイヤードの限界になると思いますが、制限があると頭をひねることも増えてスタイリングイメージが自然と浮かぶこともしばしば。力強い上半身にはさらっときれいなスラックスを合わせたい、という感覚も今の気分を反映した自然なチョイスです。
裾横や袖口のボタンは開けた方がバランス取りやすいと思います。でも、きちっと留めるとこのブルゾンの力が引き出される気もします。わずか数センチに楽しみを見いだせることがファッションの面白さで、その価値を決めるのは自分ってところが味噌。なんの役にも立たないことほど、こだわりたくなるものですよね。
一点にスポットを当てると全体が見えづらくなるかもしれませんが、相対的に愛着が増すことがあるように思います。兎にも角にも、少しでも気になったら試着してみることをお勧めいたします。最初は乗りこなせないかもしれませんが、その分わくわくは大きいと思いますよ。
それでは本日はこの辺で、失礼いたします。
SUGARHILL:SHAGGY BLOUSON(BLACK)
styling & text : 北川@uneven_mutsu
photo : 庄子@shozy_917
UNEVEN HUB STORE / Nagoya
「想像を超える、人とモノのハブ体験」をテーマに、広々としたワンフロア(230坪/760㎡)を展開。周回可能な放射状レイアウトにて構成された小規模ショッピングモールのような発信拠点です。愛知県名古屋市西区天塚町という穏やかなロケーションにて、ファッションのセレクトショップ「UNEVEN HUB STORE」を起点とし、デザインと生活雑貨を取り扱う「Dhal Homes」、スペシャリティーコーヒーと焼き菓子を提供する「awai」、Swimsuit Departmentが展開するアンティークオブジェクトショップ「BATHHOUSE nagoya」、大小二つのイベントスペースとキッチンスペースを集約。多種多様な人やモノ、コンテンツが重なり合い、刺激し合うことで、想像を超えた体験を提供いたします。