Dhal デザイナー・水谷美知へのインタビュー
Interview
DHAL 2024 AW Designer Interview
DHAL HOMES

Dhal デザイナー・水谷美知へのインタビュー

2024.8.15
24AW・立ち上げ日
2024年07月19日(火曜日)〜
販売店舗
DHAL(大曽根)、 DHAL HOMES(西区天塚町)

2024AW立ち上がりを迎えたDhalデザイナー・水谷美知へのインタビュー

水谷 美知

通算18年のセレクトショップでの経験を経て2008年よりCOMMONOreproductsで企画生産管理に携わる。地場産業を活かし地元の職人たちと密に、繊維の街ならではのものづくりを10年継続しブランドを終える。2018年8月に開業し自身のブランドDhalを立ち上げる。同時に旗艦店として名古屋市東大曽根町にお店をオープンする。時間をかけないとできないもの作り、ダイレクトに作り手の考えを伝えることに重きを置くことによって可能になる生産と販売を目指し、ブランドを運営している。2021年9月にデザインと生活雑貨に重きを置くDhal Homesを名古屋市西区天塚町にオープン。

IG:dhal_column

---水谷さん、半年に一度の人気企画です。今回もインタビュー宜しくお願い致します。早速ですが、24年秋冬のムードをどのように感じていらっしゃいますか?

次々と地球の色々が大きくなってきているなぁと感じています。でもそれは情報を多く取りすぎているからかなぁと。例えばファッションシーンは私たち世代が疲れてきている。保守的になってきているなぁと。人生半分まで来て、そろそろ落ち着いた方が良いのではと考えているのかな。明日何が起きるかわからないからこそ、今を楽しまなきゃと切に思うんです。札束持って天国には行けない。両手に持てるものなんてそんなにないんだとしたら、もう気持ちよく生きるって事しかないんじゃないかなと思うんです。だから、楽しもうって感じています。

---そんなムードの中で、今季特に打ち出したいことはどんな事だったのでしょうか?

ファッションを思う存分楽しんで欲しいな〜っていうのと、諦めないで欲しいな〜っというのが強く出ていると思います。(なんか占い師みたいな口調、笑) たかがファッションされどファッション、兎にも角にも好き!という気持ちを優先して欲しいな。オタクがこの世を支えているとしたら、そのピュアな気持ちが世の中を平和で清々しくする、と思えてならないのです。

---今シーズンのブランドとしての作り込みを教えて下さい。

今回も生地は思う存分楽しませていただきました。一見ハードに見えてもすっごく柔らかかったり、重そうに見えて軽かったり、頼りなさそうでしっかり守ってくれる生地だったり。天邪鬼がピシピシと出ていて、ご協力いただいた機屋さんに感謝です。アイテムのディティールでいえば、プリーツエプロンやリボンベスト、パンツのポケットの中にも細工がしてあったり、どうやって形にしようかと、パタンナーさんとあーでもないこーでもないとやり取りできた時間が面白かったです。作り込みは、、、あまり出したくないというか、、、テキストで伝えたいわけでもないですし、こんなにも手をかけて時間をかけて作っていますという洋服が好きじゃないので、良い形で手の跡が残っているというか、どこまででも素人でいたいという感覚が出れば成功かな、と思います。

---デザイナーとしてお洋服そのものを見てほしいという気持ちはわかります。せっかくのこの場ですし、もう少し掘り下げたいと考えているのですが(笑)、、、チェック生地やストライプ生地、鮮やかなブルーのカラーリングが印象的でした。

ありがとうございます。正直今見るとこんなの作ったんだーという感じ。今は2025AWをやっているので、1年半前のこと。忘れてますねぇ、しっかり思い出します(笑)変わらずあるのは自立なので、かっこいい渋いチェック作りたいなーと思ったんだと思います。あっ、思い出した!!今シーズン、一番最初に作った生地が、ハワイのカハラホテルにあった椅子の張り布を見て、わぁー綺麗な色だなぁと思い、ハワイから機屋さんにすぐ連絡をしてこんな空気感の生地が作りたいです!!と連絡したことがありました。

---何気ない日常の中から発想が広がっていくのですね。

生活を退屈にさせたくないから、いろんな感覚を大切にしたいなと思っています。非日常ってすごく大切だなと思っていて、自律神経がビシバシ刺激される感じ。脱線すると、今通っているカイロプラクティックで先生に教えてもらったんですけど、自律神経って成長させることはできるのですか?と質問したら、難しいですけど、不可能ではないですよ、と聞いたのです。俄然やる気になりまして。人は「変わらない日常を送ろう」、「日常を安定させよう」、そんな風に「守り」に入り、安心するのだけれど、それをすると落ち着いたり安定したりするかと思いきや、落ち込んでいくんだそうです。だから少しの挑戦としっかりとした休息の両方をバランス良く取り入れていくことが一番の安定なんだと。これを聞いた時、無性に沸々と湧き上がってくるものがありました(笑)。

---非日常と自律神経の話は面白いですね。

先ほどの話の続きで言うと、美しい生地が作りたくなったら、その美しさに偏りすぎないように、相反するチェック生地が作りたくなったり。優しい色の反対になるパキッとしたブルーを使いたくなったり。それは洋服を見るのも着るのも驚きを自分が求めたくなるからなのかもしれません。

---服作りとお店作りを同時にこなしていらっしゃいますが、ここ最近、何かしかしらの変化はありましたか?

今まさに、動物の勘みたいなものがそうしたい(お店に立ちなさい)と言っています。この不穏な日々に、何が求められるかと考えると、今こそ大切なことをちゃんと話すことのできるお店だと思うのです。困った時に助け合える仲間のいるお店。 洋服を作っていますが、洋服は、もしかしたらどんなものでも良いのかもしれないとさえ思っています。一番大切なのは「考え」。フィロソフィーというのでしょうか。それを確かめ合ったり、叱咤激励できたり、洋服ってそういう感覚を共有し合うためのツールかなぁって思います。

---少し極端な気もします(笑)今お店作りを大切にされているのですね。店頭に水谷さんが居るだけで空気が変わる感覚があります。

そうかなぁ。ありがとうございます。やっぱり、どんな時も全速力。店員さんやる時には、店員さんになりきらないと。物の価値は人が決めるものですから。自分が店員さんをやるなら、この服絶対買いですよ、なんて言えないもん。洋服を囲んで、なんだろね〜この服は。って一緒に考えたい。今ハマっている音楽とか映画とか、仕事の話とか、生き方の話とか、共有しながら、なんか良いよね〜って言い合いたい。

---最後に最近のマイブームをお教え下さい。

マイブーム!待ってました!いくつかありますが、写経、ボディボード、、、今はダントツ料理です。といっても食養生です。食べることで生きることを養うのです。体の変化が面白くてハマっています。玄米、野菜、タンパク質に魚、パンと砂糖と牛乳をやめて3ヶ月目になります。最近は、感覚が研ぎ澄まされて、見えるものが立体的になり、腹に力が入るようになり、良い汗をかけるようになり、集中力が上がり、睡眠の質が上がり、どこまでいけるんだろうと楽しくなってきています。

何事も楽しく感じられるってすごく健康的!!今後も続けていきたいです。

---ありがとうございました。今後のダルに期待しています。

Dhal 2024 AW COLLECTION / NEW ARRIVAL

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私たちはデザインが日々の生活と人間との間を取り持つと考えます。世の中は進化し続け、一方で人間は進化に対応できることもあれば、できないこともあり、できてもしたくないこともある。Dhal Homesは、それらの問題を捉えて、衣食住の適切な関係を構築します。

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