MARIEOHIRAデザイナー大平さんへのインタビュー
Interview
MARIEOHIRA INTERVIEW
企画展「UNEVEN HUB STORE WOMEN」

MARIEOHIRAデザイナー大平さんへのインタビュー

2023.8.24
開催日程
2023年08月26日(土曜日)〜 2023年09月24日(日曜日)の30日間
開催場所
イベントスペース・North(UNEVEN HUB STORE内)

大平麻理恵さんの想い

MARIEOHIRAデザイナーである大平さんはどのようなシーンを夢見て、どのようなものづくりをされているのか。今月、8月26日(土曜日)から始まる企画展「UNEVEN HUB STORE WOMEN」に先駆けて、お話をお伺いしました。

大平 麻理恵 / MARIEOHIRA Designer

武蔵野美術大学卒業後、台東分校製くつ科にて靴作りの基礎を学ぶ。その後、ダンスシューズメーカーへ就職。既成の靴で様々な悩みを持つお客様に出会う毎日がきっかけで、勤務の傍ら、ドイツ式コンフォートシューズについて学ぶ。2017年に独立。

IG:@mockoly

---MARIEOHIRAをスタートしたきっかけを教えてください。

「色々ありますが、、Sasquatchfabrix.17awのルック撮影に参加させてもらったことは一つの大きなきっかけでした。Sasquatchfabrix.デザイナーの横山さん(横山 大介氏)と私の夫が友人で、うちの車をルックに使いたいとオファーを頂いて。撮影の日、面白そうなのでスタジオに行きました。そしたら当時私が作っていた靴を知らぬ間に夫が持ってきていて、横山さんがそれを見て、気付いたらスタイリングの一部になっていて。そこから、来週展示会があるから置いてみる?と誘って頂いて、わからないけどやってみます、と。始めたというか、始まったというのか、そんな感じでした。」

---今回のレディースシューズは、どのようにデザインが生まれましたか?

「私自身ここ6年間で3回出産をしていて、体重の変動幅は20kg程(笑)。生活やスタイルもだいぶ変化し履けなくなった靴が沢山あります。大好きなレザーソールのドレスシューズは、どんどん足の形と合わなくなり、悲しい思いもしました。スニーカーは履かないし、足のサイズが大きいこともありシューズの選択肢は狭まって、次第に洋服選びもつまらなくなって。その時に、もしこういう靴があったらしっくりきたのになというのを今回形にしました。”足のサイズの変動にある程度対応できる”、”どんなシーンにもはまる”からスタートして。ヒールの高いパンプスは辛いかも、、でもちょっとは盛りたい!というのは女性あるあるかと思い、ちょうどいいヒール感も意識しました。クロム鞣しではなくタンニン鞣しorコンビ鞣し・顔料ではなく染料・リペアしやすい作りという部分で、経年変化の綺麗さも大事にしています。これは単純に私の好みです。」

---大平さんのものづくりに対する想いを教えてください。

「元々私のものづくりは、自宅の一室をベースに一人で楽しんでいるものが多いです。メーカーを退職した時も、小さな工房をつくって、お客さんと1対1でビスポークを作る職人になろうと思っていました。シンプルに自分とお客さんが喜ぶ手仕事がしたかったんだと思います。でも七年続けてきて、今は関わる人全員に還元出来るようになりたい気持ちを持つようになりました。好きな革が使えるのは食肉業者さんタンナーさんのお陰だし、問屋さんもメーカーさんも、運送の人、店頭に立つ人、、など挙げ始めたらキリがないですが、私も循環させ続けることでもっと沢山の人を喜ばせられるかもと思うと、また違った角度で新しいデザインが産まれたり。職人の高齢化が深刻で数十年後には日本の皮革産業はなくなってしまうのでは、と暗い気持ちを抱える瞬間もありますが、ものつくりやデザインにはこういう問題を解決する力があると思います。革だからこそ形にできるものや表現って沢山あって、革靴もその1つです。革靴制作をベースに自分が楽しいものつくりをして、革の可能性を今以上に広げて、皮革の業界自体が元気に出来たらいいなというのが私の今の想いで、MARIEOHIRAの現在地です。」

インタビューを終えて

MARIEOHIRAのシューズに出会い、シューズというピースがファッションにおいてこれ程まで重要で、シューズによってこれ程までファッションが楽しくなるということを体感させられました。アートピースの様に自由で艶っぽいシューズは、足を通すと履き心地がよく、自分のスタイルにすっと馴染むようでした。服を決めて出かける時、麻理恵さんのシューズに足を通した途端、さらにファッションが楽しくなる感覚。今では私のファッションのピースに欠かせないものとなり、シューズが自分らしさの大きな部分になっています。

麻理恵さんのシューズを履いた時の感覚、オーダーを考える時間、自分だけのシューズが届く瞬間、履いて出かける時間、、。大切な瞬間を、企画展「UNEVEN HUB STORE WOMEN」にて、MARIEOHIRAと共にお届け致します。

イベント名 : 「UNEVEN HUB STORE WOMEN」
開催日程 : 2023年8月26日(日曜日)〜2023年9月24日(日曜日)の30日間
開催場所 : イベントスペース・North(UNEVEN HUB STORE内)

TEXT:橘 @tatti_877

 

UNEVEN HUB STORE WOMEN / Nagoya

「想像を超える、人とモノのハブ体験」をテーマに、広々としたワンフロア(230坪/760㎡)を展開。周回可能な放射状レイアウトにて構成された小規模ショッピングモールのような発信拠点です。愛知県名古屋市西区天塚町という穏やかなロケーションにて、ファッションのセレクトショップ「UNEVEN HUB STORE」を起点とし、デザインと生活雑貨を取り扱う「Dhal Homes」、スペシャリティーコーヒーと焼き菓子を提供する「awai」、Swimsuit Departmentが展開するアンティークオブジェクトショップ「BATHHOUSE nagoya」、大小二つのイベントスペースとキッチンスペースを集約。多種多様な人やモノ、コンテンツが重なり合い、刺激し合うことで、想像を超えた体験を提供いたします。

IG:uneven_hub_store_women

Back