須藤由美さんの想い
Rhodolirionデザイナーである須藤さんはどのようなシーンを夢見て、どのようなものづくりをされているのか。今月、8月26日(土曜日)から始まる企画展「UNEVEN HUB STORE WOMEN」に先駆けて、お話をお伺いしました。
須藤 由美 / RHODOLIRION Designer
大阪府生まれ。1998年、BEAMSに入社。2013~2019年、BEAMS BOYのディレクターを務める。2017年にはBEAMSのハウス・ブランド〈maturely〉を立ち上げたほか、〈BEAMS LIGHTS〉のクリエイティブサポートや、ビジネスプロデュース部での商品企画やバイイングを担当。同社退社後の2021年9月、NEPENTHESに入社し、NEPENTHES WOMANのディレクターに就任。2022年<RHODOLIRION>スタート。大の愛猫家。
---Rhodolirionをスタートしたきっかけを教えてください。
「前職でバイヤーだったころからネペンテス社に通い清水さん(清水 慶三氏)、大器さん(鈴木 大器氏)には一緒にモノづくりをしていただき、バイイングの楽しさや大変さを教わってきました。お二人ともいつも温かく迎えて下さり、難しく考えるのではなくこれまでの経験と直感でユーモアを交えて大らかな心で私たちを受け止めてくださいました。自分の目指す姿はこういう姿だと心に秘めていました。さらに公私ともに仲良くして下さり、お兄さんのような存在で可愛がってくださったネペンテスウーマンの代表でもある徳郎さん(青柳 徳郎氏)に”ウイメンズのブランドを作らないか?”とお声がけいただき、2022年からスタートしたのがRhodolirionです。生涯、服作りに携わりたいと思っていたので、今でも嬉しかったことを昨日のことのように思い出します。」
---どのようなものからインスピレーションを受けて洋服づくりをされていますか?
「子供のころから祖母の影響を大きく受けています。祖母はとてもおしゃれな人で90歳にもなる今でも変わりません。祖母が使っていた服やバッグはもちろん、櫛や香水、日傘や扇子、常に使っていた日用品なども 何がどういいかを説明してくれたので、ずっと忘れられずにいます。愛着をもって使っていたし大事に持っていることも。 好きな本や映画や俳優さんや歌手、日本だけでなく世界にある煌びやかな世界をよく口にしていたし、 海外に目を向ける事などいつも熱心に教えてくれました。きっと英才教育されていたのかも。そこが服を好きになった原点で、彼女から受けた世界観を広げていくような作業が今の私を作っています。」
---今、須藤さんが洋服を通して伝えたいことは何でしょうか。
「Rhodolirionの大切にしていることは、着る人の気持ちが奮い立ち、自分らしいスタイルに辿り着ける服です。”胸の高鳴るような服”をテーマに、歴史あるファッションカルチャーに敬意を払いつつ自由なクリエーションで、刺激的でありながら普遍的に愛される服作りを目指しています。自分らしいスタイルが喜びと自信に繋がり、ひとりでも多くの人を幸せに出来たらと思っています。」
インタビューを終えて
Rhodolirionは、とてもパワフルで真っ直ぐに問いかけてくる力を持っています。身に纏うと明るく自信が湧くような感覚と同時に、日本人に寄り添いながら世界中まで視野を広げたファッションの楽しさを教えてくれます。それは須藤さんの”どんな過酷な状況にあっても、逞しく美しい存在であり続けること。ファッションはそれを実現するための力を与えてくれるもの。”というファッションで明るい未来に向かって突き進む推進力に、背中を押されるからだと思います。
好きなものを身に纏い、そんな自分が好きでいられる。好きからさらに世界が広がり、もっと好きでいることが楽しくなる。企画展「UNEVEN HUB STORE WOMEN」にて、好きとワクワクの連鎖をRhodolirionと共にお届け致します。
イベント名 : 「UNEVEN HUB STORE WOMEN」
開催日程 : 2023年8月26日(日曜日)〜2023年9月24日(日曜日)の30日間
開催場所 : イベントスペース・North(UNEVEN HUB STORE内)
TEXT:橘 @tatti_877
UNEVEN HUB STORE WOMEN / Nagoya
「想像を超える、人とモノのハブ体験」をテーマに、広々としたワンフロア(230坪/760㎡)を展開。周回可能な放射状レイアウトにて構成された小規模ショッピングモールのような発信拠点です。愛知県名古屋市西区天塚町という穏やかなロケーションにて、ファッションのセレクトショップ「UNEVEN HUB STORE」を起点とし、デザインと生活雑貨を取り扱う「Dhal Homes」、スペシャリティーコーヒーと焼き菓子を提供する「awai」、Swimsuit Departmentが展開するアンティークオブジェクトショップ「BATHHOUSE nagoya」、大小二つのイベントスペースとキッチンスペースを集約。多種多様な人やモノ、コンテンツが重なり合い、刺激し合うことで、想像を超えた体験を提供いたします。